フォンテック様から8/9発売の豊田実加さん(ホルン)のCD「Le Lien ル・リアン」が届きましたので、簡単にレビューしてみようと思います。
豊田実加さんは神奈川フィルの若き首席ホルン奏者として注目を集めている奏者です。
時代の流れなのか昔からそうなのかわかりませんが、若いスタープレイヤーが増えているような気がしますね。
もちろん彼らの音楽は老練という感じはしませんが、さすがに老練な方々に認められた人たちだけあってクオリティが高いですよね。
それぞれに際立った個性もあるし、なかなか面白いと思います。
さて今回の豊田実加さんのCD、全体的に楽しく聴けるのですが、特に注目したいのは2点。
まずは豊田さんのホルンのサウンドですよね。突き抜けるストレートなサウンド。素直な音というか、「オラァァァ聴けよォォォ」みたいな力が入ってない感じです。スポーン!みたいな。(全然うまく伝わらない)
かといって雑なわけでなく、その逆で、アプローチはかなり丁寧です。多くの吹奏楽部の(管弦楽部でも良いんですよもちろん)学生ホルン奏者にとっては良いお手本になるんじゃないでしょうか。それはサウンドやテクニック面だけではなくて、音楽的という意味で。
「こういう表現をしたいからこのテクニックが必要なんだ」というのが、学生さんや初級者にも分かりやすいCDだと思います。
もう1点は、ピアノとホルンの見事なアンサンブルです。
ホルンのCD、ということになっていますが、これはホルンのCDでもピアノのCDでもなく、「ホルンとピアノのデュオのCD」ということです。
他のソロCDでもこれは同じことなんですけれどね。
良い伴奏がいて主役が際立つ場合もあれば、2人で混然一体となって突き進む場合もあり、このCDについては後者ということになります。
豊田さん、大野さん、それぞれが「この作品のこの場所での自分の役割は何だ」ということを突き詰めていってる感じがしますね。
だから、聴いていて飽きないし、楽しい。
特にホルン奏者の方は、吹奏楽なんかだと主旋律をバンバン吹くってことはあまりないかと思いますが、自分が最前線でない場合の演奏の仕方、アプローチの仕方については、このCDから学ぶことは多いのではないかと思います。
「ホルンって言ってもオケの人なんでしょ」とか斜に構えずに、迷わず買えよ、買えば分かるさ。
あ、曲目もあまり知らないかもしれないですけど、凄いですよ。メッチャ面白いです。
その辺りも楽しめるポイントですね。
レビュー:梅本周平(Wind Band Press)
商品詳細は以下の通り。
▼メーカーより
神奈川フィルの若き首席ホルン奏者、豊田実加(とよだ みか)のファースト・ソロ・アルバム!
豊田は吹奏楽の名門・習志野市立習志野高等学校を経て、東京藝術大学を卒業。2013 年より神奈川フィルハーモニー管弦楽団の首席ホルン奏者を務めています。
オーケストラでの活動と並行して、女性ホルンアンサンブルVENUS や木管五重奏 池田昭子クインテットなど、室内楽やソロ奏者としても活躍しています。
豊田本人のこだわりにより、近代フランス音楽の“隠れた佳品”を集めた本作での演奏は、若さに似合わぬ沈着さや強かさを忍ばせながらも、天真爛漫で一点の曇りのない彼女を鏡で映すような、キラキラとした宝石のような輝きに溢れています。
ソリストとしても活躍するピアニスト・大野真由子とのアンサンブルも出色です。
新たなヒロインが紡ぎだすLe Lien(縁・繋がり)、お聴きください。
品番:FOCD9755
定価:¥2,700+税
発売日:2017/8/9
メーカー:株式会社フォンテック
演奏:
豊田実加(ホルン)
大野真由子(ピアノ)
収録内容:
ギヨーム・バレイ:シャンソン・ドゥ・フォレスティエ
ジョルジュ・バルボトゥ:セゾン
シャルル・ケクラン:ホルン・ソナタ Op.70
ロベール・プラネル:カプリース
ジャック・イベール(大橋晃一 編曲):「物語」より
第2曲 小さな白いろば/第4 曲 おてんば娘
第6 曲 廃墟の宮殿/第7 曲 机の下で
第8 曲 水晶の籠/第10 曲 バルキス女王の行列
収録:2016 年8 月29-31 日 かながわアートホール
協賛
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